ダイカスト金型とは?費用が決まる要素と寿命の考え方

ダイカスト金型は、溶けた金属を高圧で受け止め、製品の形を作る鋼製の型です。 固定型と可動型の2つに分かれ、製品の形をした空洞(キャビティ)、金属の通り道(湯口・ランナー)、空気やガスを逃がすオーバーフロー、冷却用の水路、製品を押し出す押出ピンなどで構成されています。
金型費を左右する主な要素
| 要素 | 費用への影響 |
|---|---|
| 製品の大きさ | 大きいほど金型も大きくなり、使用するダイカストマシンも大型になる |
| 取り数 | 1型で複数個取ると単価は下がるが、金型費は上がる |
| スライド(横抜き) | 側面の穴やアンダーカットがあると、スライド機構が必要になり費用が増える |
| 形状の複雑さ | 深いリブ、細いピン、複雑な曲面は加工工数とメンテナンスが増える |
| 金型材・熱処理 | 一般に熱間金型用鋼(SKD61 など)が使われ、仕様によって費用が変わる |
| 精度・外観要求 | 外観面の仕上げや、厳しい公差の部位があると工数が増える |
金型費と部品単価はトレードオフの関係にあります。年間数量が多い場合は取り数を増やして単価を下げ、少ない場合は金型をシンプルにして初期費用を抑える、といった判断をします。
金型の寿命の考え方
ダイカスト金型は、溶湯の熱による膨張・収縮を繰り返すため、表面に細かなひび割れ(ヒートチェック)が生じ、次第に鋳肌や寸法に影響が出てきます。寿命は材料(アルミか亜鉛か)、製品形状、鋳造条件、メンテナンスによって大きく変わります。
- 鋳造温度の低い亜鉛用の金型は、アルミ用より長く使える傾向があります。
- 定期的なメンテナンス(補修・部品交換)で寿命を延ばすことが一般的です。
- 寿命の見込みと、補修・再製作の費用負担は、発注時に取り決めておくことをおすすめします。
発注前に取り決めておきたいこと
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 金型の所有権 | 金型費を支払った側に所有権があるか、保管・返却の条件 |
| 保管と管理 | 保管場所、識別表示、一定期間使わない場合の扱い |
| メンテナンス費用 | 通常のメンテナンスと、寿命による再製作の費用負担 |
| 設計変更 | 形状変更時の金型改造の可否と費用 |
| 初品確認 | 初品の寸法測定の範囲、外観見本、承認の手順 |
金型を作る前に図面で確認すること
- 抜き勾配、角R、肉厚の均一化
- パーティングライン(型の合わせ目)と押出ピンの位置が外観に影響しないか
- 鋳造で作る穴と、後加工で作る穴の区別
- 後加工の基準面(データム)
よくある質問
ダイカスト金型の費用はどのくらいですか?
製品の大きさ、取り数、スライドの有無、形状によって大きく変わるため、一律の金額はありません。図面と年間数量をお知らせいただければ、金型費と部品単価を分けてお見積もりします。
金型は日本へ持ち帰れますか?
所有権と移管の条件をご注文時に取り決めます。ただし金型は特定のダイカストマシンに合わせて設計されるため、移管先の設備で使えるかの確認が必要です。